暴走族に恋をする。



「…そういえばさ、快斗ってバイクが好きなの?」


「んー、まぁどちらかと言えば?
っていうか好きじゃなきゃ暴走族に入らないでしょ。
まぁ蓮に連れられてってのもあるけど、暁斗なんかはバイクとか興味なくて音楽が好きだからバンドなわけだし

俺もバイクに興味なかったらただの不良だと思うけどね、やっぱ。」


「ふーん…そうなんだ。」


まぁ…バイクのために名堂じゃなくて秀名来たって言ってたし…それくらい好きなんだよなぁ。


「桜子ちゃんはさ、バイク全部嫌いなの?」


「レーサーみたいな、職業で乗ってる人は別に。
それでお金稼ぐなら全うな生き方だからいいと思う。

…でもやっぱり、バイクは怖い…かな。」


「そっか。」


快斗は免許をとったら、いっぱいバイクに乗るのかな…
乗るよね。そのために通ってるんだもん。

快斗も暴走行為、するようになるんだよな…


「じゃあ、やっぱり絶対俺が好きにさせないとなー。」


「……え?」


「桜子ちゃんにわからせてあげる。
ルールを守れば楽しめること。

一番嫌いなバイクでね。」


そう語る快斗の顔は

とってもキラキラしていた。


「……好きなんだね、バイク。」


「実際乗ってみると楽しくて仕方ないんだよね。」


…私にもいつか来るのかな。
快斗が好きなバイクを、好きになる日が……



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