暴走族に恋をする。
部屋につき、看護師さんたちがカチャカチャとベッド周りを整えている中
私たち5人はまばたきすることもできずに部屋を見回した。
「すっげー広いな…」
「…うん。」
予想を遥かに越えた、個室だったから。
VIP扱いかなにか?
「快斗んちって金持ちかなにか?」
「……さぁ?」
い、いや……そんなことすら知らないんか、あんたらは…
「椅子、こちらに置いとくからよかったら使ってね。」
「あ、ありがとうございます…」
用意された椅子は6脚。
こんなに椅子のある病室って初めて見ましたけど…
「……あの、具体的に快斗ってどういう状態なんですか?」
「それは私たちからはお話しできない決まりなんです。
でもきっとご家族からお話があると思いますよ。」
「そうですか…」
はやく、私も説明を聞きたいよ……
「でも、意識があったってことは脳は大丈夫そうだな。」
「そうだな。
ってことは意識不明とかでもなさそうだし。」
なんて、頭のいい不良が勝手に話を進めていたけど……
私も今はそれを信じるしかないよ。
「快斗、早く目を開けてね。」
快斗の手を握って、そう願うことしか…ね。
「みんなお待たせ。」
そこに、おばさんが戻ってきた。