暴走族に恋をする。
「ってか桜子、塾は?行かねーの?」
「……快斗が目を覚ますまで行けない。
快斗は私を庇ったんだもん。
私だけ行けないよ。」
「でも、快斗はそれ望んでんの?
快斗が自分のせいで塾サボらせたって自分責めるんじゃねーの?」
「きっと快斗は、私のせいじゃないから自分を責めるなって言う。
なら、お互い様でしょ?
お互い、相手のせいなんかじゃない。
自分のためなんだよ。
だから、私はここにいる。
ここで快斗が目を覚ますのを待ってる。
自分の目で見ないと安心できない。
たとえ目を覚ました快斗に怒られるとわかってても、私はここで快斗が目を覚ますのを待ってる。
絶対に一番にお礼を言う。
今の私が塾に行ったって、気になって勉強なんてできないよ。」
どれだけ勉強できたとしても
どれだけの学歴をつけたとしても
人を思いやることのできない人間なんて、クズだから。
「…それに、今はみんながいるから。
みんながいるなら、塾なんて必要ないよ。」
こんなに最高の先生、ほかでは絶対見つからないよ。
「……ったく、しかたねーなー。」
「俺らも快斗にキレられたくねーし?
とりあえず勉強はさせてやるか。」
「だな。」
「んじゃ机借りてくるかー。」
そういって4人はそれぞれ動き出した。
勉強なんて、どこでもできる。
いい教師がいれば、私に塾は必要ないんだ。