暴走族に恋をする。
それからは面会終了時間となり、私は快斗のご両親と車で帰ることとなった。
「はぁ~~、娘がいたらこんな感じなのかしらね~。」
すぐにお風呂へと通され、おばさんのルームウェアを借りてティータイム。
…快斗がいないのに、なんとも変な感じ…
「あの…おじさんは私の母とはどういうご関係で…」
とりあえずそこからだ。
なぜ知り合いなんだ。
「あぁ、仕事でたまにね。
都庁にいるでしょ?お母さん。
俺もだから。」
「あー…そういうことですか」
なるほど…だからお母さんも快斗のお父さんにはあんなに控え目…
政治家、だっけ…
議員さんってことかぁ。
「にしても、さくらも桜子ちゃんにべったりねぇ。
この家だと快斗ばっかりなのに。」
桜子はずーっと私の足元をうろうろして、私が座れば私の膝の上。
…やっぱ、快斗がいないのが寂しいのかな
でも、さくらが無事でよかった、本当に。
「……快斗と初めて会ったのはさくらを見つけたときでした。
道路から動かないさくらを、私が学校の前の公園へ連れていったんです。
そのあと、さくらは快斗に拾われました。」
「へぇ、そうなんだ。
快斗から猫を拾ったって連絡が来たときは珍しいこともあるなって思ったけど
桜子ちゃんがきっかけだったってことか。
納得納得。」
「なんか…快斗ってすごいですよね。
さくらのことも助けて、今日は私を庇って……」
「まー、後先考えないやつだからね。」
「……私も、あんな人になりたいです。」
誰かの命を救える、そんな人に……