暴走族に恋をする。



「ん、借りてきたよ。
お皿は8枚でいいんだよね?」


「あ、ゆっきーさんありがとう!
みんな食べるなら8枚でいいと思う。

私やるよ。」


「切れる?」


「このくらい切れます、さすがに。」


と、とりあえず切っていくメロンを、ゆっきーさんが手伝ってくれて、一切れずつみんなへと渡った。


「俺もそっち行きたい!
ゆっきー!肩かして!」


「はいはい。」


快斗はそういい、点滴をもってゆっきーさんに支えられながら車イスへと移り、みんなのいるテーブルへと来た。

この広い部屋、広いテーブルに8人はやっぱり余裕だ。


「快斗はトイレとかどうしてるの?」


「聞くな。」


……なんだそれ。
でも尿管は取れたってことだよね?
自由に動いてるし…

麻酔も切れたし、行けるときはトイレなのかな。


「じゃあお風呂は?」


「今日やっと入れた!
点滴あるし、片足もカバーつけなきゃで大変だったけどやっとな!
髪の毛はさすがに洗ってもらったけど。」


「へぇ、大変だね。」


「動けるっていいよなー、やっぱり。」


……そうだね。
そういう当たり前も、当たり前にしちゃダメだよね。

世の中には、五体満足の人ばかりじゃないんだから。



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