暴走族に恋をする。


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「あ、みんな来てたんだ~。」


夕方、おばさんは大きなバッグをもって病室にやってきた。


「こんにちは。」


「こんにちは。
…はい、快斗着替えね。」


「おう、さんきゅ。」


着替えか。
お風呂は入れるようになったからかな。

まぁ…最低限下着とかは毎日変えたいもんね。


「…桜子ちゃん
俺ちょっと母さんと話あるから、今日はもう帰ってもいいよ。
来てもらって言うのも悪いんだけど…」


え?…私だけ?
黒崎くんたちはいいの?


「……うん。
あ…お母さんにも早く帰ってこいって言われてたんだ。
今日はもう帰るね。また明日。」


「うん、ありがとね。
あ、ゆっきー送ってけよ!」


「はいはい、わかったよ。
じゃあ行くか。」


「うん。」


結局、私だけが帰されることになった。
……まぁゆっきーさんもだけどさ。
あとでまた快斗のところ戻るのかな…


「……私だけ、聞いちゃダメなのかな。」


「え?なんで?」


「だって私にだけ帰れって言ったし…」


「あー、それは桜子だけ残りそうだからじゃない?
俺らは桜子を送るために残ってたようなもんだから、桜子が帰ればたぶん蓮たちも帰るよ。

あんまり考え込まない方がいいよ?」


「……うん、そうだね。
ごめんね、私のせいで待たせて。」


「別に桜子の性じゃないよ。
蓮が勝手に桜子を自分の女だって言いふらしたのが悪いんだし。」


……そうか、噂じゃ私は黒崎くんの女だったんだっけ…
まぁ別にいいけどさ……



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