暴走族に恋をする。
私の好きな人は私の嫌いな暴走族。
━━1年後
「さっ、くらっこちゃーん!!」
「うるさっ…」
「早く早く!早く!」
「ちょ、そんな急ぐと転ぶから!」
「早く帰ろ!俺んち行くよ!」
2年生になった私たちは、クラスは離れてしまったけど快斗が大声で毎日私を迎えに来る。
大声で名前を呼ぶなと言った私の言葉を忘れたのかと言いたくなる。
……そして、快斗はあれからリハビリをほんとに頑張って、今ではぎこちないけど走ることもできるようになり、杖がなくても私が支えなくても歩くことも難なくできるようになったんだ。
「う、わ!」
「快斗!」
……たまに、こうやって転ぶこともあるけどね
「ご、ごめん…」
「もう、慌てないの。」
崩れる前に、ちゃんと私が支えるから。
それがわかってるからかな。
快斗は走ることをやめない。
ただ単にバカなだけかもしれないけど。
「なんでそんな急ぐの?」
「見せたいものがあるから!」
そういって、快斗は私の手を引き、早足に家へと向かった。