暴走族に恋をする。



━━━翌日


昨日はいろいろ考えすぎて眠れず、ゆっきーの鬼電で結局昼には起きた。

……大学、だるいけどいかねぇと…
もう出席日数やばいやつあったし……


ってことで、髪の毛とかして適当に服引っ張り出して飯も食わず家を出た。
腹へった、けど作るのもだるいし、食堂でいいや。


いってきまーす

なんて、言う相手もいないけど
鍵閉めてアパートの入り口を出たら


「あっ…」

「な、んでいるんだよ」


なぜか、桜子ちゃんが立っていた。
……でもいつも完璧な桜子ちゃんとはなんか違ってて…


「……もしかして、昨日から…」


髪の毛も完璧なくらいセットされていたのに、今日は巻きもとれてて
メイクもよれてて、なにより

服が昨日と一緒だった。


「…ごめん、でも「な、にしてんだよ!」


思わず出た俺のでかい声に、桜子ちゃんの肩がビクッと上がった。
そんな怖がらせるつもりはなかった、けど

思わず出てしまった。


「こんなとこに一晩いて、なにかあったらどうすんだよ!
女なんだから、もっと自分の身守れよ!

そんなことくらい、桜子ちゃんならわかるだろ…」


安易な行動で、自分がどうなるかなんて
桜子ちゃんは誰よりもわかってるじゃねぇかよ…


「……それは、わかってるけど」


「じゃあなんでこんなとこにいるんだよ!」


「……快斗のためなら、自分の身の危険なんて二の次だよ」


……え?



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