暴走族に恋をする。
「…とりあえず話戻すけど
その、本当はこんなこと言ったら引かれそうで嫌なんだけどさ」
「言って」
もう、ここまで言われたらさすがにわかる。
桜子ちゃんがどうしてそこまでして風間んち行ったのかとか想像できちゃうんだけど
どうしたも桜子ちゃんの口から桜子ちゃんの言葉で聞きたくなった
「…も、5年だし…その、
こ、今後のこととか…長い目で見たらちゃんと知らなきゃだめだ、って…
これからも快斗支えていきたいから…どういう家が快適なのかとか知りたくなって…
だ、だから…」
「だから、風間んち行ったの?」
「……うん
ちゃんと知りたかったの」
……どうしよ。もう怒れない。
なん、なんだよ
結局俺のためじゃんかよ
風間も彼女いるならさっさと言えよ…
「…俺はなんで怒ってたんだろうな」
だいたい、桜子ちゃんが浮気するようなタイプじゃないことくらい、俺知ってたじゃん。
誰かのために必死になりすぎるところあるって、俺知ってたじゃん。
なんで俺、疑うことしかしてなかったんだろ。
たとえ風間に彼女がいなかったとしても
桜子ちゃんの彼氏は俺じゃん。