暴走族に恋をする。
嫌いな人たち
━━━━土曜日、放課後
「天宮さん!!行こ!」
「うるさっ…」
どうしてこうも私に話しかけてくるときは声が大きいんだろう…
普段はここまでうるさくないのに。
「……ご飯はどうするんですか」
「向こうで一緒に食べようよ!
だめ?」
「……構いません。」
「まじで!?ほんとに!?
やったね!初めて!じゃあいこ!」
………うるさい。本当に。
「見るもの見たら帰ります。」
「えー、勉強しないのー?」
「本当に大津くんが勉強できたとしても、あなたと勉強するのは無理です。
うるさいので。」
「えぇ!静かにしてるから!!
ね!少しだけでも!」
「……では、うるさくしたら帰ります。」
「うん!わかった!
じゃあ行こ。」
どうせ夜そのまま塾だし、家にご飯はないからちょうどいいかな……
いつもなら図書館の売店で買って済ませるから大差ないし。
「……あの、先に歩いてください。
あとからついていくので。」
「えぇ!なんで!?」
「隣を歩きたくないからです。」
「う……今のグサッと来た…」
「早くしてください。」
もし……こんな派手な不良と一緒にいるところをお母さんに見られたら…
それこそ、ただでは済まされない気がするから。