暴走族に恋をする。



「桜子、だっけ。
あいつの言ってたこと、全く間違ってなかったもんな。」


そういったのはオチケンだった。


「まぁ現実問題、暴走族でも免許なきゃ運転禁止のところもあるしな。
タバコも酒も。」


と蓮が言うと


「………だけど暴走行為をしない暴走族なんていねーよ。」


と隼斗が反論した。


「暴走すんなっていうなら、暴走族は解散じゃねーの。
そんなやり方したって、下のやつらが反乱を起こすだけだろ。」


「………とにかく、ここのやり方は俺が決める。
総長は俺だからな、隼斗。」


「………わかったよ。」


そう丸く収まったと思ったが


「お前らな、それじゃなんのために俺らがいるんだよ。
法律だって総理大臣一人で決める訳じゃないだろ。

法律を国会で決めるなら、ここのやり方は俺ら全員で決めるんじゃねーのかよ。
勝手に独裁国家にしてんなよ。」


とゆっきーが言った。


「俺はあいつ好きだけどね。」


と、オチケンまで。


「………俺、いい人になりたいわ。」


「は?」


「快斗、正気か?」


「快斗にいい人は無理だろ。」


「この中でいちばん悪人じゃねーの。」


「うるせーよ!俺はもう決めたんだよ!!」


なんなんだこいつら。
人のやる気を………



< 54 / 344 >

この作品をシェア

pagetop