暴走族に恋をする。
「涼介お待たせ。行こ。」
玄関で待たせていたジャージ姿の涼介を連れて、私は家を出た。
「これから部活?」
「そ。
なのに朝っぱらから俺んちきたやつがいてさ。」
「………ふーん。
それで、話は?」
「あぁ、行けばわかるから。」
そういって歩き出して、すぐそこの角を曲がってしまったから私も急いで追いかけて角を曲がった。
「おはよう!!」
………え。
「悪いな、桜子。
実はこいつに頼まれたんだよ。
俺じゃなきゃきっと桜子を連れ出してもらえないからって。」
「悪いな、涼介。朝から。」
「いや、別に。
じゃあ俺部活あるからいくわ。
じゃーな。」
そういって涼介は行ってしまった。
思考回路が停止した私と
朝から元気な…大津くんを残して。
「………なにか用ですか」
「今日ちょっと時間ある?」
「ありません。
失礼します。」
こんな暴走族とはもう関わりたくない。
目も合わせたくない。
視界にもいれたくない。
………だから、私はすぐに歩き出した。
「ちょ…ちょ待って!」
けどすぐに腕を捕まれた。