暴走族に恋をする。
出会い--快斗side
***
「快斗、ダラダラ歩くな。」
「はいはい。」
ったく、なんで歩きなんだよ…
入学式くらい、車出せよな。
「つーかまだ早いだろ、どう考えても。
まだ誰もいねーじゃん。」
「遅刻するよりましだ。」
そういって俺を早く歩かせるのは俺の父さん。
都議会議員をしてる父さんは、私立高校だっつーのに来賓として呼ばれ
来賓なのにくそ早く俺と一緒に入学式へと向かっていた。
「とにかく、俺の顔に泥を塗るようなことはするなよ。」
「またそれかよ、うるせーな。」
「だいたい、入学式なのになんだその髪の毛は。」
「別にいいだろ。自由なんだから。
テメーは黙って座ってろよ。」
「親に向かってなんだ、その言い方は。」
なら俺と一緒に来んなよ。
こうなることくらい、わかってたんじゃねーのかよ。
「……はいはい、すみませんね。」
ったく、めんどくせーな。
「まあいい。
それより今日で快斗も16歳、約束してた教習所の申し込みしといたから。
ちゃんと通えよ。」
「え、まじで!?
さっすが親父!」
「約束したからな。
秀明に首席で入学したらバイクを許可するって。」
ま、なにかと口うるせー親父だけどこういう約束はきっちり守るし
悪いとこばっかでもねーんだけど。
「秀明に首席なんて、俺の鼻も高いしな。」
「ま、やればできる子なんで。」