暴走族に恋をする。
「………少しずつでいいなら」
「え?」
「いきなりは無理です。
それでも、少しずつだったら」
たとえこの人が暴走族だったとしても、この人なら私も受け入れることができる気がする。
「………本当に?」
「嫌ならいいです。」
「い、いや!違うよ!
じゃ、じゃあ今からまた昨日のとこ行かない!?」
「行きません。
桐谷隼斗も絶対嫌がるでしょう。」
「あ、なんだ。隼斗が原因?
隼斗なら簡単に受け入れてくれるよ。
あんな単純なやつ、なかなかいないし。
っていうか蓮が受け入れてくれてる時点で驚きだからね。
んー…じゃあとりあえずファミレスでも行こ。
そのあと行動開始ね。」
「………私は勉強があるので。」
「えー?まだそんなこといってるの?
俺が教えるって。ね、それならいい?」
「………わかりました。」
まぁ…明日は数学の小テストがあったし、ちょうどいいか。
もともとファミレスいく予定だったしな。
「ところで今日は眼鏡じゃないんだね?」
「休みの日はコンタクトを使います。
長時間勉強するにはこっちの方が負担がないので。」
「絶対毎日その方がいいけど、みんなが桜子ちゃんの可愛さに気づいちゃったら嫌だから、まぁ休みの日限定でいいや。」
…なんて何を言ってるんだ?この人は。