暴走族に恋をする。
「さーて、こんだけ可愛くなれば隼斗も文句なしだよ。
絶対大歓迎だから、昨日のとこ行くよね?」
「臭いからイヤです。」
「今日は窓開けとくから!」
「さくらは?」
「今日は予防接種ってことで母さんが連れてくからいないんだよ~。」
「ふぅん…つまんない。」
「えぇ!
………でも来てくれる?」
「………まぁ…少しずつ受け入れると決めたので」
「はは、本当真面目だな~。
じゃあ行こ!」
「あ、あの…ヒールは慣れてないのでゆっくり…」
「あぁ!ごめん!
なんかもう気持ち高まりすぎてた!
そういえば今日塾ってある?」
「いえ、日曜日はないです。」
「へー、そっか。
やったねー。」
大津くんはずーっと笑顔だから、自然とこちらまで嬉しくなってくる。
私の手首を掴み、少しだけを前を歩く大津くんの横顔を見ながら、私も笑みがこぼれていた。
「………ありがとう。」
「ん?どういたしまして。
ま、俺がやりたかっただけなんだけどね。」
それでも、今私を楽しくしてくれてるのは大津くんだから。