暴走族に恋をする。
好きすぎて…--快斗side
***
もともと可愛いのは知ってた。
かわいい顔だし、スタイルがいいのも知ってた。
………なのに、着飾った桜子ちゃんが予想を遥かに越えた可愛さで…
桜子ちゃんの顔がまともに見れなかった。
ヒールをはいて、身長差があまりなくなってしまったから余計に顔が近くて………
慣れないヒールに、慣れないワンピース。
ぎこちない歩き方と、スカートの長さを気にしてる仕草がなんともかわいすぎて、襲いたくなる。
「……この髪色は学校で言われないんでしょうか。」
どんだけ飾っても、中身の変わらない桜子ちゃんが大好きだ。
「そのくらいなら大丈夫だよ!
俺も言われないしね。
金髪とかじゃなければ大丈夫!」
「へぇ、そうなんだ。」
っていうか、あんなに校則緩いのに制服もきっちり着てたのは桜子ちゃんだけだよ。うん。
「よし、到着~。」
「思ったより近いんですね。」
………その会話の8割に出てくる敬語もどうにかならないかなぁ…。
「開けるよ?」
「うん。」
一応聞くけど、俺が手首を掴んでるから強制的になかに入れるけどね、俺は。
「どいてー。」
日曜日だからか、本当に人が多い。
けど避けて歩くのも嫌だから、こいつらを退かす。
それが俺のやり方。
そんなやり方だからどうしても俺に注目が集まるし、自動的に桜子ちゃんにも。
「………この前もすごい見られたけど、今日もすごい見られてる…」
そりゃそうだ。
昨日はめちゃくちゃ地味で見られたんだろうけど、今日はめちゃくちゃ可愛くてみんなも見るよ、これは。