暴走族に恋をする。
私の先生たち
「おっすー。」
「遅かったな~。」
「おう、隼斗!
今日こそは可愛い女を連れてきた!」
出た、また他人を喜ばせるための嘘。
この人この手の嘘が本当に得意なんだな。
「へー、でも昨日の女のことがあるから期待できねーな。」
……どうせ地味でブスで陰気ですよ。
「はい、中入りなよ。」
そういって私の腕を引っ張り、また社長室へと入った。
「………どうも。」
………な、なんでこんな沈黙なんだ……
誰かなにか発してよ……
「へ、へー、本当に可愛いじゃん。」
言葉つまってるし。
戸惑いすぎじゃない?
しかも昨日との差がありすぎじゃない?
桐谷隼斗さん。
「めっちゃ隼斗好みでしょ。」
へー、こういう女が好みなのか。
ちょっと意外。
「………もしかして桜子?」
「は!?」
うるさっ…
「さすが蓮~。
どうよ!隼斗!めっちゃ可愛いっしょ!」
「………本当にあの陰気女か?」
と顔を覗きこんでくるので
「だったらなんなのよ。」
強気に返してみた。
「うわ!本物だ!
うわー、まじかよ…」
なんなの、その引き具合は。