暴走族に恋をする。



「はいはい、桜子ちゃん座るから隼斗どいたどいた!」


「いって!なんだよ!」


「はい、桜子ちゃん座って!」


………なんて雑などかし方…
ほぼ暴力だよ。


「おい!俺の席ねーじゃん!」


「そこに昨日の椅子があるじゃん。
隼斗はそれに座ってよ。
可愛い女の子が座るんだから我慢してよ。
ね、桜子ちゃん!」


………なんなんだ?それ。
どういう理屈なんだか……


「………で、私はなんで呼ばれたんですか?」


「なんでって来てほしかったからかな?」


「どうして?」


「…会いたかったから?」


「大津くんはどうせ明日会うでしょう。学校で。」


「俺は毎日会いたいの!!」


毎日って………飽きないのかな。
よりにもよって私みたいので。


「………用事がないなら帰ります。」


と私が言うと


「俺にも連絡先教えてよ。」


私の前に座る人が言った。
えーと…オチケンさん。


「え、連絡先ですか?」


「だからオチケンが知るなんて1000年はえーんだよ!
桜子ちゃんも桜子ちゃんだよ!
なんで俺より先に蓮に教えるんだよ!
俺何回も断られてんのに!」


「大津くんは必要ないからです。」


「なんで!?」


「だって、毎日会うじゃないですか。」


「………へ?」


「学校で会えるので、直接言えるので必要ないと思っています。
それに私は大津くんの連絡先知っていますので、急用があれば連絡するので。」


「………なにそれ。
嬉しすぎてなんか泣きそうなんだけど。」


「やめてください。」


たかが連絡先ごときで。



< 73 / 344 >

この作品をシェア

pagetop