TUG of WAR ～恋のつな引き～
「ありがとうございましたー。」



熱々のあんまんを持ってコンビニから出ると、
車から出てくる瀬名先生らしき人物がいた。

いくら学校の近くとはいえ学校ではないから、
瀬名先生じゃなかったどうしようと思い、話しかけられずにいた。

とりあえず見て見ぬふりして駅の方に向かうことにした。



「あれ、新沼？」



心の中で話しかけられることを期待していたから、
そのとおりになって思わず顔がニヤついてしまいそうになる。



「先生、お疲れ様です。今帰りですか？」

「そう。てかお前打ち上げ行かないんだ。」

「……吉澤君いるから気まずいなって。」



本音と建前どちらを言おうか迷ったが、
もう先生にはほとんど知られているからいいやと思い、本音を選んだ。



「はあ……吉澤のやつか。」

「でも、元々知り合いも少ないですし打ち上げ行く気なかったので大丈夫ですよ。」

「そっか。」



私の言葉を聞いて、先生は安堵の表情を浮かべた。
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