TUG of WAR ~恋のつな引き~
正直なところ、物理を選んだことに対して少し後悔していた。
しかし、瀬名先生に背中を押してもらって頑張る気になれた。
「……と、面談終わりでいいかなと思ったけど
5分も早く終わっちゃったか。」
瀬名先生か腕時計を見ながら呟く。
そのまま終わりかと思いきや、
いきなり手を上にあげ背中を逸らし始めた。
「教師の俺が言うのもあれだけど、
お前と堅苦しい話するの慣れねーな。」
まるで少年のようなあどけない笑顔でこっち見られると、胸が締め付けられる。
「それはいつも先生が私のことからかっているからじゃないですか?」
自分の本心を隠そうと必死になるあまり、
つっけんどんになる。
「ははは、それもあるかもな。
……だけど、本当はお前と他愛もない話をしてるのが好きだからかもな。」
伏し目がちにしてそう言う。