TUG of WAR ~恋のつな引き~
いや、そうなのは分かっていたけれど、
思っていた以上にこの現状が辛かった。


おおっぴらに付き合えないってこういうことなんだなと。

先生は私の落ち込んでいる様子を見て、頭をかきメモに更に言葉を加えた。


『P.S. 今日一緒に帰らない?』



「いいんですか?それこそ怪しまれません?」




私制服だし2人で車乗るところ見られたら、
それこそ疑われる。



「相談がてら一緒に帰ってますってていだったらいいだろ。」



いや、よくないだろと思いつつも、
本当は先生から誘ってくれるのが嬉しくて乗ってしまった。


課題を済ませ校門から数十メートル先の交差点で待っていると、
先生の赤い車が近づいて来た。



「お待たせ。乗って。」



そう言う先生を見ると、サングラスをかけていた。

これだったら瀬名先生だって分からないと思って、安心した。



「ほら、そっちじゃないだろ。」



後部座席のドアに手をかけたところ、
先生に制された。
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