TUG of WAR ~恋のつな引き~
私はその晩、先生の携帯に電話をかけた。


プルルルル プルルルル



『どうした。』



例え受話器越しだとしても、
先生が私にだけ言葉を向けていることが嬉しく感じる。



「先生。あの……電話してもいいですか。」



ダメならダメで理由を聞きたい。



『いいですかも何も今してるじゃん。』

「そうじゃなくって、今みたいに夜に電話かけることがセーフなのかアウトなのかが知りたいなって。
……だって、恋人らしいことしてないじゃないですか。」



本音を漏らすなんて恥ずかしいけれど、
伝えなければ向こうだって何も分からない。



『……ごめんな。そういう風に心配させて。』

「謝るだけじゃなくて、教えてよ。校内ではダメって言われたって校外でどうすればいいの。」
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