TUG of WAR ~恋のつな引き~
会場から駅までは5分くらいなのであっという間に駅に着いた。



「……今日、ありがとな。誘いを受けてくれて。」



かすかに混んでいる電車に揺られながら、
瀬名先生が話しかける。



「いえ。和斗との思い出また1つ作れて嬉しいです。」

「そう言ってくれて良かった。冬休みにどっか出かけような。」



先生がこの先もずっと私といたいと思ってくれてる。

その事実が嬉しくてたまらなく、心が躍ってしまう。



「やっぱ冬だしスキーとか行きたいなー。スキー滑ったことある?」

「いえ、小さい時に一度したっきりなので、全然。」

「まじかー。俺に恥ずかしいところ見せるなよ?」



先生がわざと迷惑そうな表情を見せる。



「うわっ酷いそれ!」



からかい合っていたらいつの間に西坂町駅まで着いていた。

自宅の近くまで送ってもらい、惜しむように挨拶をして家に帰った。

この時は幸せの渦中にいてまだ気付かなかった。




この時間がいつまでも続くわけではないことを。



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