TUG of WAR ~恋のつな引き~
第一試合





.......とは思いつつ、
散々避けてきた相手にいきなりどう近づけば。

いくら新学期だからって、
いきなり接触増やすの不自然すぎるよね。

「そんな悩んでないで話しかければいいじゃん。」



始業式のために体育館にみんな集合する中、舞がそう言う。



「でも......。」

「別にね、優佳が思ってるほど瀬名先生気にしないよ。」



それって遠まわしに私がたくさんの生徒の一人にすぎないって強調してないか......。


うう惨めになってきた。



「ほら、こっち来たよ。」



舞が小声で教えてくれた。



「......おはようございます。」



いつもは白衣だけど今日は始業式だからか、
ワイシャツを着てきっちりネクタイを締めている。

スーツ姿だといつもよりもかっこよくみえて
キュンとしている自分がいる。
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