TUG of WAR ～恋のつな引き～

夏休みが明け9月を迎え、文化祭が半ばに開催された時だ。

私は瀬名先生と話すために生物部の展示を見ながら雑談をしていた。



「ホタルの発光物質ってこんな粉なんですか？」

「そうそう。これをすり潰すと光るわけ。
テストも全て終わった3月に授業でやろうとは思ってるけど。」

「へえー、楽しみにしてよっと。」



隣の展示物を見ようとしたところ、入口に伊藤先生がいた。



「瀬名先生、お客さん来てるよ。」

「お客さん？」



瀬名先生は怪訝そうな顔をするが、伊藤先生の後ろに立っている女性の顔を見て驚く。



「優佳……！お客さんって言うから誰かと思ったわ。」



優佳……？

その優佳と呼ばれる女性は2歳くらいの小さな子どもを連れていた。

更にお腹も膨らんでいたため、次の子どもがお腹の中にいるのだろう。