TUG of WAR ~恋のつな引き~
「三野谷。」



俺は思わず三野谷の両肩に手を置く。



「ゆ……新沼は。新沼知らないか。」

「優佳なら生物準備室の前にいますけど。先生に用あるって言ってました。」

「ありがと。」



俺はそう言い、一目散に生物準備室へと向かった。

恐らくその場にいた他の生徒は怪訝に思っただろう。

しかし、今の俺はそんなのを全く気にしない。


部屋に着いた頃にはすっかり息を切らしていた。



「新……沼……。」



俺は準備室の前で体育座りをしていた新沼に話しかける。



「先生遅いよ。」

「遅いって、職員会議あったんだしそもそもここにいることすら知らなかったんだから。」

「えっ昨日メール送ったのに。」



メール────?
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