TUG of WAR ~恋のつな引き~
悔しいというより呆れてしまう。



「そんな怒った顔しない。
急に態度変わるから心配してたけど、今の態度で安心した。」



先生の顔から安堵の表情が見えた。



「………でも私、本当は先生ともっと普通にお話したいです。」



言うのが恥ずかしくて自分の足元に視線を移した。

そして、先生が次に発する言葉に思わず驚く。



「新沼からそう言ってくれて嬉しいよ。」



え─────



「実は、新沼と関わるの苦手だと感じててさ。教師の癖にな。」



先生が自嘲しながら発言した。



「やっぱり。私ずっと他の生徒に比べて素っ気ないというか雑な態度で嫌われているのかなって思ってたんですよ。」

「本当に?それは申し訳ない。
苦手意識あるからこそ頑張って関わろうと手伝い頼んだりしてたのに、むしろ嫌われるからどうしようって悩んでてさ。」



まさか1学期までの自分の態度が先生を遠ざけていたとは……。

あの頃の自分を殴りたい気分だ。
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