TUG of WAR ~恋のつな引き~
「じゃあ授業プリント配るぞー。
窓側半分三野谷配って。」
「....はい。」
次の日も生物の授業はあったが、
先生が私に頼むことはもちろんなかった。
「先生珍しいですね。
新沼さんじゃなくて三野谷さんに頼むなんて。」
私の隣にいる、同じく教卓の目の前の席の子が先生に話しかけた。
余計な質問しなくていいのに.....。
「たまには違う人に頼んでもいいかなって。
なんなら次の授業お前に頼もっか?」
冗談っぽくその生徒に返事したが、
その生徒は真に受けてぜひお願いします、と嬉しそうだった。
......どうして私にだけあんなに冷たいんだろう。
別にいいのだけれど、
教師として平等に接しないところが気に食わない。