TUG of WAR ~恋のつな引き~
俺には分かるって、たった半年、それも高校受験があったから大したこともしなかった仲なのに。

私は歩くスピードを速める。



「今はもうただの友達でしょ。
私のこと理解してくれなくていいって。」



実際は友達とすら思っていないけど。

委員だから仕方なく仲良くしてただけで、
私のこと捨てた人とまともに関わる気はない。

壮介は重い道具を持ちながら必死に私に追いつこうとする。



「そんなこと言わずにさ、
ほら、フったのも申し訳ないと思ってるし。」

「軽々しく言わないでよ。」



それに何で今更のこのこ私に近付いて、
過去の罪を償うかの様な行動とるの。

そんなことされたって私の気持ちが戻るはずない。



「そこまで怒らなくてもいいじゃん。お前だって」

「吉澤、それ以上言うのやめろ。」



瀬名先生の言葉が壮介を遮った。



「先生……。」



まさか先生が登場するとは。
< 97 / 368 >

この作品をシェア

pagetop