TUG of WAR ~恋のつな引き~
「とにかく、ここでこの話をするのはやめろ。
今は片付けが一番だろ。口よりも手を動かせ。」

「…分かりました。」



こりゃあ壮介の完敗だ。

でも、先生が助け舟を出してくれたおかげで救われた。


それにしても、瀬名先生があんなに怒っているところ初めて見た。


私のためにここまでしてくれるとは───


数メートル先を歩く先生の後ろ姿を、感謝の気持ちを込めながら見つめた。



片付けが終わり、
全体で反省会やプチ打ち上げをしたところで、いったん解散となった。


……実はこの後お店に移動して本格的な打ち上げもあるのだが、
壮介と同じ場所にいるのも気まずいから断った。

教室の時計をちらっと見ると、
時間はもう18時半を過ぎていた。

普段長くいても17時までだから、この時間まで学校にいるのは私にしては珍しい。

それに今日は授業もないから課題もないし、
塾も授業がないからわざわざ塾に行く用もない。

まあ、時間も遅いし疲れたからそのまま帰るか。

そう思い、コンビニであんまんを買って帰ることにした。
< 99 / 368 >

この作品をシェア

pagetop