なんで今更こんな事?ー幼なじみと始まるグレーな関係ー
「……何してんだろね。」


私の横で何もなかったかのように
あんず酒を飲む康平に伝える。


返事がない代わりに、
立ち上がり、



「帰ろっか。」


そう言って笑って康平に伝えれば、


康平も立ち上がって、私と同じ位の身長で目線がぶつかった。




そしてゆっくりと
康平の手が私の背中に回される。



「繭……。」



耳元で囁かれる言葉に、
思わず身体が、熱くなる。



「繭……。」



幼なじみで、
康平となんか淡い関係なんて今まで考えた事もなかったのに、


……


なのに、

もし、


もし、


今、康平が愛の言葉でも囁いたら……





「繭……俺さ。」


「……ん。」







「今のマンション引越すから。」



……



……



……は、い?
< 35 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop