残念な天使
『あんたアホちゃうか?

死んだその日に葬式なんか出来るハズあらへんがな!

葬儀屋の手配やらなんやらあるし、

だいいち葬式の前に通夜があるやろ!』

「あっそうだった…でもそれならどうして?

それにさっきから頭が痛いんだけど、

溺れて死んだハズなのに何で頭が痛いだ?

何かにぶつけた様な痛みなんだ」

『あんた覚えてへんのか?

あんた死ぬ間際に海に沈んでもうて、

海底の岩に頭ぶつけたんや、

その時気を失って、

あれからもう四日や…

まったく死んでるのに気を失ってるってどう言うこっちゃ!』



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