恋は世界の片隅に【短編集】
初雪の降るころに【完】



「積もったねぇ」

「積もったなぁ」



私達は、肩を並べて呟いた。


目の前に広がる白銀の世界に、ただただ圧倒されながら。




「今年もやっちゃう?」

「やっちゃいますか?」



ニカッと悪戯に笑う隼人に釣られて、私も笑った。



「先手必勝!!」

「キャーッ」



不意打ちだ。


隼人が私めがけて雪玉を振り上げてくる。


けれど。


思わず目を閉じた私に、降ってきたのは雪玉じゃなかった。




「……隼人?」



気づけば、私は隼人の腕の中に収まっている。


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