恋は世界の片隅に【短編集】



3年前の、ちょうど今くらいの時期。


あの日も確か、こうやって二人ではしゃいだね。











「結衣。俺ね、結衣に話があるんだ」



ひとしきり遊んだあと、幼馴染みの隼人が突然切り出した。


「話?なに?」


「…俺、ロンドンに留学しようと思ってるんだ」


「えっ」


私の手から、ポトッと雪玉が落ちて、地面に崩れた。


「……どのくらい?」


「……3年」


「そんなに!?」




いくらなんでも3年なんて……


長すぎだよ、隼人。



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