恋は世界の片隅に【短編集】
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「……隼人、苦しいよ」
「ごめん、でも、もうしばらくこうさせて」
私たちは今日、3年ぶりに再会した。
嬉しいはずのに、なぜかまだ実感が湧かない。
「結衣。会いたかった……」
「私もだよ、隼人」
ねぇ、ここにいるのは、本当に隼人なんだよね?
夢じゃないんだよね?
3年という歳月が長すぎて、私はもう、夢と現実の区別すらつかなくなっていた。
「隼人、隼人っ……」
急にいとおしくなって、夢中で隼人の背中に手を回す。