恋は世界の片隅に【短編集】


しかし、有紗ちゃんは俺の心配をよそに

「大丈夫!」

と笑って、再びアイツの元へと歩き出してしまった。


いや、大丈夫じゃないよ!

離れて!

今すぐ離れてぇぇぇ!






「佐伯くんっ」


俺の願いも虚しく、有紗ちゃんはアイツに声をかけてしまった。


「あ?んだよ」


ほわあぁぁぁ。

案の定、アイツは眉を寄せたまま有紗ちゃんを睨んでる。


今のうちに逃げて。


有紗ちゃん………


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