恋は世界の片隅に【短編集】
俺は、机の影に隠れるようにして、二人のやりとりを盗み見することにした。
「進路希望のプリントね、佐伯くんだけまだなんだぁ」
「あ!?だからさっき眼鏡に言っただろーが!」
眼鏡って…俺!?
……ショック。
俺、アイツにあんな風に呼ばれてたんだ。
「日にちは伸ばせないの……」
「あ?テメー俺様に命令すんのかよ?」
あ、有紗ちゃんっ……
お願いだから、もうその辺でやめて下さい。
「……命令じゃないよ?」
「命令じゃなかったら、何なんだよ!」
「有紗からの……
お願い、だよ?」
うわーっ!
うわーっ!
有紗ちゃん、その顔やばいって!
…って、何で俺が興奮してるんだろう?