恋は世界の片隅に【短編集】


有紗ちゃんの切ない眼差し。

さすがのアイツも、黙ってしまった。


「……わーったよ!」


有紗ちゃんからプリントを引ったくるアイツ。


「書いてくれるの?」


「テメーが書けって言ったんだろぉがよ!」


「嬉しい……。佐伯くんって、思ってた人と違うんだね」


「あ?」


「もっと怖い人かと思ってたの。でも、本当は優しいんだねっ」


……いやいや、今でも十分怖い人だろ!

それにしても有紗ちゃん、君はいったい何者なんだ?


あの佐伯大地が、圧倒されて黙りこんでるぞ?
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