恋は世界の片隅に【短編集】
「……や、優しくねぇよ」
「ううん。有紗、目見れば分かるもんっ」
そう言いながら、腰をかがめ、アイツの目をじっと見つめる有紗ちゃん。
やめろ……
やめてくれ……
その仕草は、どうかこの俺だけに……
「ち、近いんだよ!」
「佐伯くんの瞳って綺麗。それ、カラーコンタクト?」
はぁ!?
どう見ても普通だろ!
「…い、いや、裸眼…だけど」
「えーっ!見えない。
じゃあ、問題ね!有紗の目は裸眼でしょうか?それともコンタクトでしょうか?」
「は?」
「ね。当ててみてぇ」
近い!!
アイツと有紗ちゃんの距離、約10cmぐらいだぞ!