恋は世界の片隅に【短編集】



しばらくして、有紗ちゃんが俺のところに戻ってきた。


「佐伯くん、プリント後で書いてくれるって」


語尾に♪の付きそうな口調で、有紗ちゃんが言った。

よくやった。

でかしたよ。


「しっかし有紗ちゃんには負けるなー。見かけに寄らず、上手いんだね?」


「へ?上手いって、何が?」


キョトンとした顔で、俺を見上げる有紗ちゃん。

かわいい!かわいすぎる!


「またまたぁー。全部計算だったんデショ?」


「計算?有紗、なんか変なこと言ってたかなぁ?」




………は?


ち ょ っ と 待 て !

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