恋は世界の片隅に【短編集】
「わたしが重いんだって。束縛されるの、嫌だったって……」
言いながら、涙がポロポロ溢れてきて。
ユキはただ黙って、わたしの涙を拭ってくれた。
「…健吾のこと、本気で好きだったのにっ……」
背が高くて、かっこよくて、とっても強くて。
ずっと憧れの存在だった。
半年前の夏に玉砕覚悟で告白したら、奇跡的にOKを貰えてつきあうことになって…。
それからの毎日は本当に幸せだったんだ──。
「…なのにっ、わたしもう一人ぼっちになっちゃったよ!」
「一人じゃねぇよ!」
………え?