恋は世界の片隅に【短編集】
グイッと腕を掴まれて。
気づけばわたしは、ユキの腕の中に収まっていた。
「……ユ、キ?」
「莉沙は一人じゃない!俺がいつもそばにいる!寂しいならいつでも飛んできてやるよ!」
………ユキ。
「束縛ならいくらでもしてくれていいし、何ならペットにもなるし!」
「ふっ…何よそれ…」
本当に…馬鹿なんだから。
───でも。
嬉しかった。
わたしの大切な親友、ユキ。
抱きしめてくれる手が、こんなに大きいなんて、今まで知らなかったよ。
ありがとう、ユキ。