*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*


その言い方、すごく知り合い(友だち)が多そうに聞こえた。

今のところ、学校では特に仲のいい人は出来ていない感じだけど。

前の学校の友だちかな?

私、ほんとに竜憧くんことを何も知らない。

知らないけど、彼は見た目に寄らず、善良な市民でとてもいい人なんだってことは充分分かった。

でもだからこそ、その不良みたいな格好と髪はやめればいいのに。

勿体ない。

やがてミルクが温まると、小さなスポイトで仔猫たちに飲ませるのを手伝った。

「ねぇ竜憧くん。もしかして昔から捨てられた動物拾ってきちゃうタイプ?」

「……まぁそうかも。全然なつかれないけど」

「あはは。優しいんだね。不良に憧れるのやめればいいのに」

「……!」

仔猫を抱く、竜憧くんの手が震えた。

「……………………別に憧れてないけど」

なんだか、いじけたみたいな口調。
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