*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「"仲間とダラダラつるむのは弱い証拠だ。本当に強い男はつるまない"。面と向かってハッキリそう言われたの、千歳さんとソイツだけ」
「……!」
「でもね、世の中には…………あーいーや、ごめん、なんか愚痴になるから」
竜憧くん…………私の言葉、そんなに気にしてたんだ……!
「私ね、仲間がいることが悪いとは言ってないよ?仲間がいないと何もできないくせに、威張ってる人が嫌いなだけ」
「うん、分かってる」
竜憧くんはじっと自分の手のなかの子猫を見つめた。でも子猫じゃない、何かを見つめているような目だ……。
この人は"何か"を背負ってて、それを隠してる。
「あの、ちなみに、その、"東田"ってひとは…………女の子?」
「違うよ」
けっこう緊張して質問したのに、あっさり否定されて安心した。
「アイツが女とか?……うっわあり得ない。千歳さんとは似ても似つかないから」
しかもなんかウケてる。
「…………竜憧くん…………彼女とかいる……?」
「え」
空気が固まった。
頬っぺたを赤くした彼が、じっと私を見つめる。