*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
うわぁぁ……私なに言っちゃってるの!?
そんなこと訊くつもりなかったのに!
この非日常的空気で頭おかしくなってる!?
「あの……ォ!べ、別に言いたくなかったら、」
「いないよ………………彼女なんか」
………………彼女・いない!?
「つき合ったこともないし」
「……!え、うそ、本当!?」
「……………………悪い?」
子猫を抱きながら、キッと睨まれた。
うええぇぇぇぇいじけた!?
なんか子猫より可愛くない!?
「こんなオレを好きになってくれる子なんか、どこにもいないよ」
きゅーーん……。
……れ?いまの音なに?
もしかして私のなかから聞こえた?
「っ」
急に身体が熱くなって、視界がグルグルしだす。
いま、彼の両手ですっぽりくるまれてる子猫になりたい。ううん、私が彼をくるんであげたい。
か、かゆい、この空気……
ダメだ耐えられないよ……。
私は自分が抱いていていた子猫を、そっと段ボールに戻した。
「ごめん帰るわッ!」
「え?」