*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
「どうしたの突然?オレなんか悪いこと…」
「ちがう、そうじゃないよ!そうじゃないけど私ィイ痛ったァァァ!」
慌てたはずみで、テーブルの角に思いきり小指をぶつけてつんのめった。
「……大丈夫?」
「だ、だいじょうぶっっっう!」
だっさ…………
私、だっさ!(恥ずかしくて死ぬ)
つまずいて転んだ私を、助け起こすように彼が手を伸ばす。でも、私の身体のすぐ上だ。
近っ!
「……っ」
「……ッ」
すぐ至近距離で目があった。長い前髪のすき間から、猫みたいに綺麗な瞳が揺れている。
竜憧くんも意識したのか、そっと離れた。
顔が真っ赤だ。私も、ひとのことは言えないけど……。
考えたらふたりきり。仔猫だけが3匹、ミーミー可愛く鳴いている。
「…………私、竜憧くんといると、なんか調子狂っちゃうんだよね……」