*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
ときが止まった。
たぶん、1分くらい見つめあった気がする。実際は数秒なのかもしれないけど。
竜憧くんの顔、真っ赤だ。
こんなに素敵なひとが、真っ赤になって私を見つめてくれている。
それだけでも嬉しい、自分のなかから、なにか甘いものが溢れそうになってきた。
これ夢だ。
でもすごい手汗。たぶん顔も、身体も、汗だく。
夢って暑いの?
「こないだ小海くんに訊かれたときは答えられなかったけど、たぶん千歳さんを好き…………なんだと思う」
「……………………え!?小海がなに!?」
変な世界に浸っていたけど、急に現実に引き戻されて焦る。
アイツ竜憧くんに何言ったのォ!?
てそんなことより、よく聞き取れなかったけど、いま私のこと好き……とか言わなかった!?
「…………あの、ちょっと、待って、……いまなんか……!?」
「いいよ、分かってるから」
「……!?」
「ただ千歳さんにオレの気持ち言いたくなっただけ。困らせたんなら、ごめんね」