*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
隣の千歳を見れない。
千歳がいる側、身体の右半分が猛烈に熱い。オレ、意識しすぎだろッ。
「……竜憧くん。……猫、どうなった?」
「え、……あ、猫?……今日は元気そうだからおいてきた。さすがにあんま休めないし」
「そっか…………はやく飼い主見つかるといいね」
オレが固まってるからか、千歳から話しかけてくれた。
良かった。…………きのういきなり告ったから、もし気まずくてシカトされたらどうしようって、学校来るのが少し怖かった。
「また見に来る?」
「……え?」
「……あ、変な意味じゃ……変な下心とかじゃないよ!?」
「……………………ん…っ…」
千歳の声がかすれてる。
やっぱり、なんかうまく喋れない。オレと千歳の間に見えない煙のようなベールがあるみたいだ。
世の中の男と女は、いつも自然に何を喋ってんだろう……?
男が相手なら、単車のこと、ケンカのこと、サッカー、プロレス、少しはネタがあるけど。…………千歳はプロレス好きかな?(今度きいてみよう)