*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*


隣の千歳を見れない。

千歳がいる側、身体の右半分が猛烈に熱い。オレ、意識しすぎだろッ。

「……竜憧くん。……猫、どうなった?」

「え、……あ、猫?……今日は元気そうだからおいてきた。さすがにあんま休めないし」

「そっか…………はやく飼い主見つかるといいね」

オレが固まってるからか、千歳から話しかけてくれた。

良かった。…………きのういきなり告ったから、もし気まずくてシカトされたらどうしようって、学校来るのが少し怖かった。

「また見に来る?」

「……え?」

「……あ、変な意味じゃ……変な下心とかじゃないよ!?」

「……………………ん…っ…」

千歳の声がかすれてる。

やっぱり、なんかうまく喋れない。オレと千歳の間に見えない煙のようなベールがあるみたいだ。

世の中の男と女は、いつも自然に何を喋ってんだろう……?

男が相手なら、単車のこと、ケンカのこと、サッカー、プロレス、少しはネタがあるけど。…………千歳はプロレス好きかな?(今度きいてみよう)
< 111 / 578 >

この作品をシェア

pagetop