*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*
だって今のオレ、すげー"ふつう"!
この"ふつう"こそオレが憧れていたものだ!
こうしてると、魔陀羅のこと忘れられる。
もしオレが暴走族のリーダーじゃなかったら。
このクラスの連中みたいに、ふつうの人間だったら。
ふつうに"つき合って"って言えたかな。
そしてこんな風に毎日を………………。
そんなことを考えていたら、ポケットに突っ込んでいたスマホがバイブした。その震動で我に返る。
電話?
すでに授業は始まってるが、幸い誰も気づいてない。
『…………電話鳴ってる……?』
いや、隣の千歳だけは震動に気づきた。
ウー、ウー、ウー、
バイブは数回鳴って止んだ。
相手は確かめるまでもない、だいたい想像はつく。オレの番号を知ってるヤツは限られてるからだ。