*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*



「びっくりして、呼びかけても揺すってもぜんぜん起きなくて、息もしてなくて。家に誰もいなくて、私怖くなって急いで救急車呼んだの」

「……」

「救急車が来て、おばあちゃん担架に乗せられて運ばれた。私も一緒に救急車乗った。運ばれてるとき隊員の人が一生懸命救命処置をしてくれたけど、私怖くてずっと震えてた……」

「……」

「でもね、病院向かうとき、救急車の前にバイクが3台現れたの」

「……バイク……って……?」

不穏な予感が走る。

「そう……バイク……ッ!アイツらが……ッ!」

千歳の声も、大きく震えて、涙がぽとっと落ちた。

「そのバイク達、救急車の前をわざとゆっくり走ったり蛇行運転して、進路を妨害したんだよ」

「……!」

「いくら隊員の人が、拡声器で『どきなさい』って言っても、挑発するみたいにゆっくりゆっくり走って、中指立てたり、ゲラゲラ笑って、からかってるみたいだった。どいてくれなかったの……!」
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